【昨年度セッション一覧】

第32回夏期セミナーにて開催予定の30セッションを公開しております。

しかし、このセッション一覧は6月14日(日)での情報です。今後、セッション講師や概要などに変更がある可能性もございますので、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

1コマ目、2コマ目、4コマ目に家庭医療学初学者向け、上級生/家庭医療学既学者向けのセッションを設ける予定でございます。スタッフの方で対象者別にお勧めするセッションですが、どなたでもお好きなセッションにご参加いただけます。ご希望のセッションをお選びになる際にお役立てくださいませ。

家庭医療学初学者向けセッションは3コマ目以外に2つずつ用意する予定でございます。(セッションIDがA,Bであるもの 。例【1A】【4B】など)

上級生/家庭医療学既学者向けセッションは3コマ目以外に1つずつ用意する予定でございます。(基本的に、各コマの最後のセッションIDであるものです。【1H】【2G】【4G】は上級生向けであり、家庭医療をはじめて学ぶ上級生にもお勧めのセッションです。【2H】のセッションは家庭医療学既学者にお勧めのセッションです。)

 

夏期セミナー全体の概要についてはこちらを御覧ください。

http://www.jpca-srs.umin.ne.jp/【学生・研修医の皆様へ】

1コマ目(8月9日(日)14:15~16:15 )

【1-A】1年生からできる!学べる!家庭医療学、超はじめのいっぽ ~Kasemi episode.ZERO~

講師:山田祐揮、河口あゆみ、渡邉洋章、家研也、酒井翼、本橋伊織、土田知也、堀越健

所属:川崎市立多摩病院、聖マリアンナ医科大学付属病院 総合診療内科、多摩ファミリークリニック

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:患者中心の医療

概要:患者さんに信頼されるかかりつけ医になりたい!患者さんの背景や、地域のことまで考えられるようになりたい!…でも、どうしたらいいの?そんな学生・研修医に学びと実践の道しるべを与えてくれるのが、総合診療医・家庭医の持つ専門的な臨床技法のひとつである「患者中心の医療の方法:PCCM」です。このセッションではそんなPCCMの中から、明日からすぐに使える「解釈モデル~かきかえ~」を題材に、家庭医療学の持つ考え方や使い方、そして何より「これ使えば患者さんをもっと理解できて喜んでもらえそうじゃん!」という感覚を、主にロールプレイを通じて堪能して頂きます。「かきかえ」を学べば、患者さんと作った同じゴールへ向けて、肩を組んで向かっていく家庭医の姿に一歩近づけるかも! 家庭医療や夏セミはじめましての方も、家庭医療の勉強を心から楽しんでもらえる3日間になること請け合い!夏セミ最初のセッションで、多摩病院の研修医と一緒にワクワクしましょう!

【1B】もし家庭医療について質問されたら ~もしカテ~

講師:原田直樹

所属:津ファミリークリニック/三重大学総合診療ネットワーク

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医

キーワード:家庭医療とは

概要:「家庭医療や総合診療に興味あるんだ~」と家族や友人に話したとき、「家庭医療(総合診療)って何?」「何でも診るってどういうこと?」「専門を持った方がいいんじゃない?」「総合内科とどう違うの?」と聞かれたことありませんか?そしてその質問にうまく答えられず、うやむやな感じで終わったことありませんか?まだ家庭医療の研修を受けてもいないのでこれらの質問にうまく答えられないのは当然のことですが、それでもうまく答えたいものですよね。そこで、このセッションではこういった質問に対してどう答えると相手に伝わるのかを一緒に考え、答え方を身に着けていきます。うまく答えるために必要な情報は、家庭医療の基礎知識・エビデンス、日本の現状と将来の展望など幅広く用意します。逆風(?)に耐え生き延びてきた、先輩家庭医・専攻医が、伝え方のコツも伝授します。さあ、明日から自信を持って家庭医療について説明できるようになりましょう!

【1C】「疾患のステージ別ジェネラリストのアプローチ」~病の経過に寄り添おう~

講師:八代敏嗣

所属:諏訪中央病院

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:患者中心の医療

概要:患者さんにとって、病気にかかるとはどういうことなのでしょう。疾患のステージによって 移り変わる医療へのニーズと、我々からのアプローチの方法について、一緒に学ぶ場を企画しました。「すわ家」こと諏訪中央病院の家庭医療プログラムのメンバーと初期研修医が送る、 渾身のセッションです! 医療には、患者さんの疾患の時期に対応する様々な役割があります。急性期では疾患の診断や初期治療、回復期ではリハビリテーション、維持期では在宅診療などです。ここ長野県の諏 訪中央病院では、一人の医師が患者さんに合わせて救急外来から急性期病棟・リハビリ病棟と 様々な場所に足を運び、必要とあらば訪問診療にも伺います。その姿は患者さんが回復していく道のりに寄り添う、旅の道連れのようにも見えます。 このセッションでは、そんな諏訪中央病院の研修医になったつもりで、医療者の役割や患者さんの思いの移り変わりを感じてもらえればと思います。そして見えてくるのが「患者中心の 医療」という、私達にとって最も重要なコンセプトです。感性豊かで、熱い思いを持ったみな さんとの出会いを、すわ家一同楽しみにしています。

【1D】メンタルヘルスと患者中心の医療の方法~患者の癒しになる言葉の力と見つけ方~

講師:中村光輝

所属:福島県立医科大学医学部地域・家庭医療学講座

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:患者中心の医療

概要:「メンタルヘルスは苦手…」、「患者中心の医療の方法ってよくわからない…」、そんな“あなた”に参加してほしいセッションです!このセッションでは実際のメンタルヘルス事例を紹介し、家庭医・総合診療医がどのように患者中心の医療の方法を実践していくのか体験してもらいます。そのプロセスで生じた問題点について、参加者同士のグループ・ディスカッションを通して学びを深め合いましょう。最後に、薬にはできない、悩める患者さんの“癒し”になる言葉の力について考えます。大学の精神科講義・実習とは一味違う、家庭医・総合診療医のメンタルヘルス診療をいっしょに学んでみませんか?患者中心の医療の方法のエッセンスも理解できるようになると思います!!

【1E】亀田流!明日から使える患者中心の医療の方法

講師:栗原史帆、岩間秀幸、西明博、山田有統、塚原麻希子、渡部健、中島浩一、吉羽史織、篠﨑萌、田坂真哉、手銭駿、菊地真由、堤俊太

所属:亀田ファミリークリニック館山、亀田総合病院

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:患者中心の医療

概要:病院実習をしていてこんなもやもやを抱えたことはありませんか? 「患者さんの病気は良くなったけど、退院した後の生活はどうなるんだろう?」 「この子供は良くなりそうだけど、お母さんが辛そうだな、なにかできないかな」 そんな学生だった私達は、家庭医になってその答えを患者中心の医療の方法(PCCM)のなかに見つけました。 当時の自分たちに教えてあげたい、そんな気持ちを詰め込んだ”あなた”のためのワークショップです。 M. Stwartの”Patient-Centered Medicine Transforming the Clinical Method”をもとにPCCMの本質を考え、実践する方法を伝授します! このセッションを受けたら、明日からの実習で見える世界が変わります。医学生、医療系学生、もちろん研修医の皆様も、ご参加お待ちしております!

【1F】症例で学ぶ!臨床推論と患者中心の医療〜患者さんの幸せのために〜

講師:向原千夏、宮松弥生

所属:弓削メディカルクリニック・滋賀家庭医療学センター、市立伊勢総合病院 内科・総合診療科

対象者:高学年医学生(5~6年), 研修医

キーワード:患者中心の医療

概要:目の前の患者さんは本当に幸せですか…? 疾患の診断・治療といった医師としての基本的な臨床能力を磨くことはもちろん重要ですが、実際の診療では「病気を治してもなぜか患者さんが幸せにならない」場面に遭遇します。病気を治すためには通常、臓器→組織→遺伝子と病状を細分化していきますが、患者さん個人の健康には、家族・地域・文化といった周囲の環境要因も大きな影響を与えています。この両者にバランスよく対処するための方法を学び、実践しているのが私たち総合診療医です。 このセッションでは、私たちが初期研修医の頃に経験した1つの症例を題材に、前半は急性期疾患の臨床推論と初期治療を、後半は患者中心の医療の方法を駆使した環境要因へのアプローチを学びます。入院中から退院後までの一連の関わりを体験し、患者さんにとってより良いケアを考えていきましょう。 “病気を治すこと”に加えて,“患者さんが幸せになること”の大切さを実感できると思います!

【1G】総合診療専攻医のリアル〜全国から生の声をお届けします〜

講師:島津真理子、木安貴大、 國光克知、 西原玲央奈、 西水翔子、 山田悟史

所属:手稲家庭医療クリニック、飯塚・頴田 総合診療専門研修プログラム、北海道家庭医療学センター ・京都府立医科大学救急医療学教室、佐久総合病院 総合診療科、大分大学医学部 総合診療・総合内科学講座・宮崎医院、地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医

キーワード:キャリア

概要:平成30年に新専門医制度が始まり、総合診療が19番目の基本領域となりました。でも、「新専門医制度のことはよく分からないし、なんとなく不安・・・」「周りに総合診療を選んだ人がいなくてイメージが沸かない。総合診療専攻に進んで大丈夫?」こんな不安を抱えていませんか?このセッションでは、九州から北海道まで、また診療所から大学病院まで、幅広いセッティングで研修している新専門医制度下の総合診療専攻医1期生が、等身大の「今」を伝えると共に、今後専攻医となる皆さんと一緒にディスカッションを行いながら未来を考えていきます。まだ卒後の具体的なことは考えていないという方、低学年の方も大歓迎です!

【1H】病院家庭医を目指そう!

講師:森川 暢、井上 博人

所属:市立奈良病院 総合診療科

対象者:高学年医学生(5~6年), 研修医

キーワード:診療所家庭医と病院総合医

概要:病院家庭医とは何だろう?家庭医とは診療所で全人的に患者を診る医師であるはずだ。病院で家庭医とは違和感がある。しかし、病院だからこそ家庭医療が必要とされている。家庭医療はOSのようなものだ。基本OSを抑えておけば、リハビリ、緩和ケア、高齢者医療、臨床倫理、在宅医療など多種多様な領域に応用が可能である。また内科病棟や救急などの急性期領域でも家庭医療のエッセンスがあると、円滑に物事が進む。南山堂から出版予定の書籍『病院家庭医』を編集した講師が急性期病院での家庭医療の実践について皆様と考えていく予定である。

2コマ目(8月9日(日)16:45~18:45)

【2A】都市部に家庭医って必要なの? 〜皆さんの疑問に答えます〜

講師:民部貴士、西村真紀、喜瀬守人、弓野 綾、岡崎寛子、里井義尚、清田実穂、中山慶俊、安藤慎之介、田陽

所属:川崎セツルメント診療所、久地診療所、あさお診療所

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医

キーワード:地域包括ケアシステム

概要:都市部にはたくさんの医療機関があります。そのために、プライマリ・ケアが分断されることがあります。都市部の家庭医の「あるある」で、患者が複数の領域別専門医の医療機関を受診していることで、どのような治療が行われているのかを把握することが困難になることがあります。また、家庭医が気づかないうちに、患者自身が自発的に他院を受診して状況を複雑にしてしまっていることもあります。 都市部ならではの「あるある」事例を通して、みんなで解決策を探っていきながら、統合的ケアのやりがいを体感してみてください。都市部で「まるごと診る」ことの醍醐味に触れてみましょう。これからの皆さんの都市部医療機関での見学、実習、研修における着眼点が変わるかもしれません。都市部の家庭医療に興味を持っている方、必見です。

【2B】思春期事例から学ぶライフサイクル

講師:富田詩織、山田宇以、種本陽子、宮本侑達、久保田希、村山愛、河田祥吾、内堀善有、
若林英樹

所属:聖路加国際病院、亀田ファミリークリニック館山、ほーむけあクリニック、横芝光町立東陽病院、亀田ファミリークリニック館山、張市立病院総合診療科、三重大学医学部亀山地域医療学講座

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:家族志向性アプローチ

概要:「毎朝学校に行く前に子どもが頭が痛くて学校を休みたいと言うんです」 「子どもが学校に数日行ってないのですが、どうしたら良いのでしょうか」 家庭医外来で時折このような相談を受けますが、思春期はいわゆる“むずかしい年頃”なため、臨床医自身の頭を悩ませます。思春期の問題には家庭での人間関係が大きく影響しているとされ、“子どもだけ”に関わっても解決できないことが多いです。 そして、子どもの成長によって親子関係さらには親同士の関係性までもダイナミックに変化します。思春期の問題行動はその関係性の変化の“表現”でもあります。子どもたちに関わる為には、家族ライフサイクルの特徴を知ることが必要です。 本ワークショップでは“思春期時代のライフサイクル”を家族療法を米国で学んだ心療内科医師と家庭医でお届けします。ワークショップ参加後は、皆様も“お年頃”の悩み相談に乗れるようになっているでしょう。

【2C】ワカルをデキルに!授業と現場のギャップを埋める獨協総診(D)式臨床推論とは!?

講師:勝倉真一、志水太郎、原田侑典、大髙由美、柿本慎太郎、松本百奈美、相澤有紀、國分厚彦、梁美紗

所属:獨協医科大学病院総合診療科

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:臨床推論

概要:皆さん、CBTや国試は不安ですか?もちろんテストに合格するのは大切ですが、せっかく勉強するならば、試験だけでなく研修医になってからもずっと使える知識や考え方を身に着けたほうがお得ですよね。試験問題では、限られた時間や情報から答えを導き出す必要がありますが、そのプロセスは外来診療と似ています。また授業で学ぶ内容と現場で行われている医療では、かなりの乖離があるのも事実なんです。本ワークショップでは、CBT・国試などの試験問題を参考とした題材を使い、獨協総診で力を入れている臨床推論の過程を重視しながら、4つのD(どんな診察をすればイイ?どんな検査をすればイイ?どんな病気を考える?どうしたら帰れる?)を軸に、明日からの臨床実習はもちろん、研修医になってからもずっと使える臨床推論法を学び、試験勉強が楽しくなるようなセッションとしています。CBT・国試を控えた方はもちろん、低学年の方もどうぞお気軽にご参加ください。

【2D】イケてない医療面接って、どない?

講師:中山明子、徳田嘉仁

所属:大津ファミリークリニック、近江八幡市立総合医療センター

対象者:低学年医学生(1~2年)、中学年医学生(3~4年)、高学年医学生(5~6年)、研修医、医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:医学教育・コミュニケーション

概要:医師であり吉本芸人である、しゅんしゅんクリニックPさんの動画を見て、いけてる?いけてない?医療面接とは何か考えていきます。(いけてない医師役を募集しますので、演じられそうな学生さんはお声がけ下さい!)医療面接についてまじめに考えるのは大学にお任せして、気軽にコミュニケーションについて考えて楽しんでみませんか。

【2E】Doctor meets Dentist 〜在宅医療の現場での多職種連携〜

講師:木森 久人、安達昌子、岩井利之

所属:医療法人社団八洲会

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:多職種連携

概要:在宅医療の現場において、医師と歯科医師が繋がることで患者の治療満足度、QOLの向上が認められることが多くある。これは単に1人の患者に対して医師、歯科医師がそれぞれ介入するということではなく、医師と歯科医師がそれぞれの介入を理解し、各々の治療方針、治療計画に活かしていくことによってもたらされる結果であると考える。 参加者には事例を通じて、その患者さんの生活はどうなのか、そしてそこに関わる医療職として何ができるのか、そしてそれによって患者さんの生活はどう変わっていくのかを考えてほしいと思う。医師、歯科医師が患者さんに関わることは疾患の治療のみならず、医師、歯科医師がハブとなって他の職種を患者さんへとつなぐことができる可能性が高まるため、その患者さんにとっての地域医療、チーム医療の始まりとして医師、歯科医師が在宅医療の現場でコラボレーションすることは非常に重要であると考える。

【2F】UKカンファ!4~病院総合診療医と家庭医のコラボレーション~

講師:岡田悟、藤沼康樹、南郷栄秀、重島祐介、川瀬圭祐、坂上美香、宮奈穣、海永千怜、横田遊、立川聖哉、山崎駿気、綾香奈々、吉村翼、井上知紀、松尾明日翔、羽角勇紀

所属:東京北医療センター、医療福祉生協連家庭医療学開発センター、JCHO東京城東病院 総合診療科、町のクリニック目白

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:診療所家庭医と病院総合医

概要:総合診療医はカメレオンのような存在です.現場のニーズに合わせて自分たちの役割や仕事の内容を変えます.一口で総合診療と言っても,みんな違います.特に入院診療を中心に行っている病院総合診療医と外来や在宅患者を主に診る家庭医は,総合診療医として共通のコンセプトを持っていますが,立場の違いで考え方も多少異なります. このセッションでは,南山堂刊「土曜日の紹介は嫌われる」でおなじみの実際に東京都北区赤羽・浮間地区で行っている病診連携カンファレンス「UKカンファ」を再現し,一人の患者さんを病院総合診療医と家庭医のそれぞれ立場からどういった点に注目して診ているか解き明かします.EBMを重視した質の高い診療と,家庭医療の理論に立脚した包括的な視点を踏まえ,互いにどういった違いがあり,どのようにコラボしているか,実例を踏まえながら地域で患者を診るとはどういうことなのかをみなさんと一緒に考えたいと思います.

【2G】家庭医が関わる救急外来からのケア・トランジション

講師:綿貫聡、岩浪悟、中西貴大、米倉宏昭、保浦修裕、関隆実、梅田開、紀田心一、織原梓、竹内結、佐藤祐、九鬼隆家

所属:東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療センター 

対象者:高学年医学生(5~6年)、研修医

キーワード:救急

概要:救急外来に来院された患者さんは、それぞれの来院された理由をお持ちです。しかしながら、救急外来の中ではその理由を適切に掴むのが難しかったり、また、診断や方針決定になやむことも多くあります。 “この患者さん、結局なんで来院したのかな?診断もよくわからないし・・・“ また、様々な問題を残したまま帰宅することになる場合も多くあります。“入院の適応はないけど、帰宅してもらうだけで充分なのかなあ?” 当院では家庭医療専攻医も救急外来で診療を担当し、まずは医学生物学的な問題に対してのdisposition(帰宅・入院判断、診断/治療方針の決定)に関するマネジメントを行います。また、救急外来で未解決になりがちな問題については、病院での入院・外来診療、診療所での外来・在宅医療などの フィールドの中で、適切な対応を模索しています。今回のセッションでは、救急外来で初期研修医の方々が感じやすいもやもやや不安に対して、方針決定のポイントを一緒に考えていければと思います。

【2H】The Inner Consultation(内なる診療)

講師:今江章宏、黒岩冴己、田尻巧、浅倉由香、八嶌駿

所属:北海道家庭医療学センター 寿都町立寿都診療所、北海道家庭医療学センター 更別村国民健康保険診療所、北海道家庭医療学センター 北星ファミリークリニック、北海道家庭医療学センター 帯広協会病院総合診療科

対象者:高学年(5~6年)、研修医

キーワード:医療面接

概要:-外科医にとってのメスが、総合診療医/家庭医にとっての医療面接である-患者の価値観が多様化し、幅広い健康問題に出会う医療現場において、総合診療医/家庭医にとって、患者と向き合う医療面接の「場」はまさに力量が試される場所です。この困難であるがゆえに興味深く、奥深い医療面接をいかに効果的に実践するかについて、非常に多くの示唆を与えてくれるのがThe Inner Consultationです。左脳で論理的思考を働かせる一方で、右脳で患者の不安や願いをくみ取り、自分の中に湧き上がる感情にも目を向けながら、患者と信頼関係を築き診療を展開する。The Inner Consultationを一緒に学ぶことで、医療面接が単なる鑑別診断や情報伝達の場ではなくartとscienceが融合した妙技であることを体感しませんか?皆さんの医療面接が今後、学生・研修医→専攻医→熟達した総合診療医/家庭医へ成長していく過程を、ちょっと先取りして一緒に体験してみましょう!

3コマ目(8月10日(月・祝)10:00~12:00)

【3A】アカデミックGPって何?臨床研究×家庭医療・総合診療

講師:一瀬直日、吉田秀平、青木拓也、金子惇、竹島太郎、大野毎子

所属:赤穂市民病院、広島大学医系科学研究科地域医療システム学講座、東京慈恵会医科大学 臨床疫学研究部、京都大学大学院医学研究科 地域医療システム学講座、横浜市立大学医学群データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻 プライマリ・ケアリサーチユニット、福島県立医科大学白河総合診療アカデミー、唐津市民病院きたはた

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:臨床研究

概要:アカデミックGPとは何でしょうか?プライマリ・ケアの文脈をテーマにした臨床研究を行うことによって、臨床医と研究医の間のギャップを埋めるエビデンスを構築していく家庭医・総合診療医たちのことです。このセッションでは、日本のアカデミックGPたちが、どのようにしてキャリア形成し、どのような臨床研究テーマを扱ってきたか、を紹介し臨床研究の魅力をお伝えします。セッションの中で紹介することは、①アカデミックGPたちの医学生時代 ②アカデミックGPの臨床研修医時代 ③アカデミックGPへと進むことになった転換点 ④取り組んできた臨床研究の概要 です。日常臨床の中で生まれる疑問を解決しようとするとき、どれだけエビデンスを探しても納得いく回答に辿り着かないことはよくあります。ならば自分で研究してみよう、という動機が発端となり次第に大きな実りとなる過程を見てみませんか?アカデミックGPへ自由に質疑応答する時間も設け、どなたでも参加できます。

【3B】素人でも分かる嚥下障害とその診察基本のキ

講師:須田万豊、相田万実子、天笠愛子、松浦広昂、望月亮、新谷可恵、森川暢、原嶋渉、大野洋平、成瀬瞳

所属:慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室、亀田ファミリークリニック 館山家庭医診療科、川崎市立川崎病院 救急科、藤田医科大学 リハビリテーション医学Ⅰ講座、聖隷袋井市民病院 リハビリテーション科、京都岡本記念病院、伊勢原協同病院 リハビリテーション科、国立病院機構東京病院 リハビリテーション科

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:リハビリテーション

概要:どの科に行っても必ず遭遇する、「嚥下」にまつわるエトセトラ。卒前卒後教育で嚥下を体系的に学習できる機会はまず無いため、専門職頼みになってしまったり…なんてこともあるあるです。今回は目標を「嚥下の診察所見と、対応する病的意味を理解する」「一人で嚥下の診察ができるようになる」こととし、一つ一つポイントを勉強していきます。難しい単語を使わないので、学年・職種を問わず参加可能!日頃より嚥下の問題と対峙するプライマリ・ケア医と、嚥下のスペシャリストであるリハビリテーション科医の待望のコラボレーションシリーズ第3弾。皆さんの参加をお待ちしております。

【3C】ハロー!世界の家庭医!~国際交流で君は変わる~

講師:森冬人、櫻井広子、中村光輝、下川純希、武田裕子、佐和明裕、小林直子、吉田伸、齊藤麻由子、長哲太郎、佐藤英之

所属:福島県立医科大学地域・家庭医療学講座/只見町国保朝日診療所、みちのく総合診療医学センター、福島県立医科大学医学部地域・家庭医療学講座、宇部興産中央病院、順天堂大学、奈良県立医科大学附属病院 総合診療科、富山市まちなか診療所、飯塚・頴田総合診療専門研修プログラム、富山大学附属病院、ファミリークリニックなごみ(OCGFP)

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:国際医療

概要:世界の家庭医療が実際にどのようなものか、普段は学ぶ機会のない人が多いのではないでしょうか。そんな学生・研修医のための企画です。私たち日本プライマリ・ケア連合学会国際委員会は、日英プライマリ・ケア交換留学プログラム、日韓プライマリ・ケア交換留学プログラム等を企画しています。これまで多数の若手家庭医が世界の家庭医と交流を深めてきました。 今回の企画では、国際交流の経験のある家庭医が日本各地から参加します。海外での家庭医療の実習、家庭医の働き方、ナースプラクティショナーなどプライマリ・ケアで働く人々や環境など、私たちが海外の現場で感じた事を皆さんと是非共有したいと考えています。「留学や海外なんて私には無理」と思う学生・研修医もぜひ参加してみて下さい。多くの若手家庭医・総合診療医のように、皆さんの世界観はきっと変わります!

【3D】学校では教えてくれない!医療にまつわるおカネの話

講師:佐藤瑠美、倉田房子、植松洋、高橋純、鈴木潤一、木庭真紀、野口廣太郎

所属:筑波大学附属病院総合診療グループ、神栖済生会病院 メディカルソーシャルワーカー

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:医療経済

概要:大好評!「学校では教えてくれない!医療にまつわるおカネの話」を今年も開催します!今年は介護に関するお金の話、「お年寄りの患者さん、一体家ではどんなサービスを利用しているの?」「施設や在宅でのサービスは一体どのくらいお金がかかるの?」治療のことだけでなく、患者さんの暮らしにまで目を向けられる医師を目指したいですよね!チーム対抗クイズやグループワークで楽しく学びましょう!医療経済の視点を持った看護師・薬剤師・検査技師・療法士を目指す学生の皆様も是非ご参加ください!

【3E】風邪診療で学ぶ、デキる家庭医への第一歩

講師:稲葉崇、坂倉明恵、巴悠記

所属:筑波大学総合診療グループ、茨城県立中央病院

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:風邪診療、家庭医療

概要:皆さんは、風邪を正しく診断できるでしょうか?そもそも風邪の定義は知っているでしょうか?最も身近でcommonな風邪ですが、その詳細は意外と学校では習いません。簡単そうに思える風邪の診療ですが、見逃すと怖い疾患と鑑別したり、患者さんのニーズを的確に捉えて処方薬の相談をしたりと、家庭医のエッセンスがたくさん詰まっており、決して簡単ではありません。このセッションでは、風邪を正しく診断し、風邪と紛らわしい疾患を鑑別することができる、デキる家庭医への一歩を踏み出してもらいます!

【3F】家庭医療学×社会疫学 患者さんの困りごと,その正体わかりますか?

講師:原田 侑典、大髙 由美、水本 潤希 、幌 沙小里、西岡 大輔、芦野 朱、大矢 亮、照井 稔宏、横田 雄也、藤原 和成、小松 真成、杉原 大輔、豊岡達也、原澤俊也

所属:獨協医科大学病院総合診療科、東京大学大学院医学教育国際協力センター医学教育学部門、勤医協札幌病院看護部、東京大学大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野、医療福祉生協連 家庭医療学開発センターCFMD、耳原総合病院救急総合診療科、福島県立医科大学大学院医学研究科・国際地域保健学分野、岡山家庭医療センター、出雲家庭医療学センター、鹿児島生協病院総合内科、長野中央病院、藤田医科大学 総合診療プログラム、平和会吉田病院 精神神経科

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:公衆衛生

概要:「この患者さん,言うこと全然聞かなんだよね.もう放っておこう.」こんな発言をする医療者にならないために,このセッションがあります!社会疫学とは,私たちが日々暮らしている社会のありかたが,住民の健康にどのような影響を与えるのかを研究する学問体系です.一方,家庭医療は,その地域に住むありとあらゆる人々の健康問題を扱うことが特徴であり,そのためには生物・心理・社会の各側面を統合したケアを行う能力が求められます.そして,患者さんの抱える様々な問題を理解する際に,社会疫学の考え方はきわめて有用です.このセッションでは,健康の社会的決定要因(SDH)という概念を紹介します.患者さんを取り巻くさまざまな要因が,患者さんの健康や受療行動に与える影響を,社会疫学の観点から理解することで,診療の現場に立った時に,患者さんの社会背景に隠された様々な問題に気付くことができるようになることが,このセッションの目標です.

【3G】あなたならどうする?~家族が食べられなくなったとき~

講師:講師:海老澤由香、木村紀志、鈴木李理、関智弘、村田俊介

所属:筑波大学附属病院総合診療科

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:高齢者医療(意思決定支援)

概要:あなたの大切な家族が口から食事を食べられなくなったとき、あなたはどうしますか?胃瘻、経鼻胃管、中心静脈栄養、それでも口から食べさせてあげたい……。願いは人それぞれで悩ましいですね。このセッションでは、実際のデバイスについて学んで、悩んで、どんな栄養なら高齢者と家族が幸せに過ごして行けるかを一緒に考え、意思決定支援のプロセスを学んでいきます。どの学年、職種の方でも大歓迎です。意思決定支援について学んだことがないという初学者の方、低学年の方にもわかりやすいセッションになっています。

4コマ目(8月10日(月・祝)13:00~15:00)

【4A】ゲームで学ぶ多職種連携の秘訣!〜2020版〜

講師:安藤崇之、日下伸明、伊豆倉遥、西明博、田中典仁、年森慎一、阿部裕乃、桑藤史貴、山根みどり、阿部智史

所属:慶應義塾大学医学部総合診療教育センター、亀田総合病院 救命救急科、安房地域医療センター 総合診療科、安房地域医療センター 医療・福祉相談室、医療法人社団花橘会 みんなのクリニック大井町、ウィル訪問看護ステーション 江東サテライト、ベストリハ株式会社、亀田森の里病院、東海大学附属病院 総合内科

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:多職種

概要:昨年に引き続きゲーム形式で多職種連携を学べるWSを開催します。医療現場では患者を中心として、医師、看護師、薬剤師、リハビリ、ソーシャルワーカーなど多職種で協働して患者のケアにあたります。患者への関わりの視点は職種ごとに異なるため、それぞれの強みを活かして連携していくことが大切です。多職種連携とはよく聞くけれど、臨床現場で実践するには他の職種のことをよく知らないといけません。適切な相手と適切な情報を交換することが上手な多職種連携のヒケツです。病院や在宅、患者・家族などのチームに分かれて退院調整シミュレーションゲームを行い多職種連携の秘訣を体験しながら学べます。講師には看護師、リハビリ、ソーシャルワーカーなど様々な職種が参加し、現場でのリアルをお伝えします。これから医療現場にでていく皆さんの視点が拡がること間違いありません!

【4B】在宅医は視た!〜在宅のプロの視点を学ぶ〜

講師:江口幸士郎、長純一、洪英在、田中啓太、藤谷直明、日下部明彦、内田貞輔

所属:今立内科クリニック、石巻市立雄勝診療所、三重県立一志病院、いくわ診療所、宮崎医院、横浜市立大学、静岡ホームクリニック

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:在宅医療or介護or人生会議

概要:地域包括ケアの鍵となる在宅医療。しかし、学生の間に教育を受ける機会は少なく、あっても見学と感想に終わることも多いのではないかと思います。在宅医療の専門性を、多くの医師と多職種に理解してもらえるように。具体的には、在宅の名医たちが自宅で何を視ているのかを切り口に、患者さんの生活圏に医師や看護師、薬剤師など多職種が行くことの意義を、参加者同士のワークショップを通じて考えたいと思います。 「病院のような十分なことを患者さんにしてあげられない」「通院可能なうちは必要ない」「死を待つ人が受ける」「入院は社会コストがかさむので在宅に移行する」これ、すべて誤解です。 在宅医療は、病院医療の代替品でも廉価版でもありません。在宅医療は、病院医療とは別の専門世界です。往診車を降りたその時から、医師たちの五感はフル回転を始めます。今回はみなさんに、その世界の一端を感じてもらいたいと思います。

【4C】今こそ「熱中症」の話をしよう!ーデータに基づく熱中症予防についてー

講師:石井大介、大島民旗、 鈴木昇平、花房徹郎、野口愛、長哲太郎、蓮間英希、大谷紗代、小滝和也、坂部千恵

所属:大阪家庭医療・総合診療センター(OCGFP)はなぞの生協診療所、大阪家庭医療・総合診療センター(OCGFP)西淀病院、大阪家庭医療・総合診療センター(OCGFP)たいしょう生協診療所、阪家庭医療・総合診療センター(OCGFP)ファミリークリニックあい、大阪家庭医療・総合診療センター(OCGFP)ファミリークリニックなごみ、

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:地域志向性アプローチ

概要:東京オリンピックにむけて、いま熱中症対策が熱い話題となっています。みなさんは熱中症のことをどれだけご存じですか?また、熱中症にかかった方を見た経験はあるでしょうか?重症の熱中症では致死率が30%という統計もあり、迅速な対応が必須の疾患ですが、プライマリ・ケアにおいてはなによりも熱中症を未然に防ぐことが大切で、そのために患者さんのライフスタイル、生活環境、経済状況を包括的にとらえるまさに家庭医療学的な視点とスキルが必要とされます。今回の主人公は、大都会大阪の下町に住む大阪太郎さん。熱中症が不可避と思われるディープな生活に潜入して、熱中症発症の背景にあるスペシャルドラマをみなさんにご覧いただきます。セッションでは、熱中症の医学的マネジメントはもちろんのこと、熱中症のハイリスク者800例以上の家庭訪問から得たリアルなデータを紹介しながら、家庭医・総合診療医らしい対策を伝授します。

【4D】秘伝!家庭医の解決力 ~君にもできる矢印の魔法~

講師:田中政任、久保伸貴、 富田詩織、山田悟史、木村紀志、高岡沙知、濵田春樹

所属:関越病院 総合診療科、亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科、聖路加国際病院 一般内科、総合病院国保旭中央病院 総合診療内科、ひたち太田家庭医療診療所、安房地域医療センター 総合診療科、亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:ノンテクニカルスキルorビジネスorテクノロジー

概要:なかなか上手くいかずにカッとしたり、落ち込んだり、自分を責めたり、誰かを責めたり、どうにもならない状況に無力感を感じた経験はありませんか? 「これをやろう!」と決心しても、結局三日坊主に終わってしまい、「なんて自分はダメなやつなんだろう」と思った経験はありませんか? このセッションでは、そんなあなたの悩みまでも解決に導くことができる、家庭医の問題解決力を伝授します。目の前の問題の背景にある、隠れた要素を自由自在に扱い、真の解決策を探っていけるようになります。 そして、家庭医療のBio-Psycho-SocialやContextの各要素を有機的に結びつけ、直接的にアプローチしても解決できない問題を紐解いて解決に導く家庭医の頭の中を大公開していきます。

【4E】ヘルスリテラシー入門 ~患者さんの「健康を決める力」を高めるために~

講師:宮田潤、宇戸谷翔太、清水海斗、新野青那、大濱弘光、鈴木友輔、武藤理、此下尚寛、楠川加津子

所属:大阪大学大学院医学系研究科 社会医学講座 公衆衛生学 / 恵寿総合病院 家族みんなの医療センター 家庭医療科、救急に強い総合診療医養成福井大学コース / 福井大学医学部附属病院 総合診療部、福井大学大学院医学系研究科 統合先進医学専攻 地域総合医療学コース、福井大学医学部附属病院 総合診療部、国立病院機構あわら病院 総合診療科、福井大学医学部医学科 地域プライマリケア講座、福井大学 永平寺町立在宅訪問診療所

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:ヘルスリテラシー

概要:「座薬=座って飲むもの」という勘違いを笑い話にした落語があります。その一方で、「日本人の4分の1が、処方薬の服用方法を理解することが『難しいと感じている』と回答している」という、笑えない研究結果もあります。 このセッションで扱う「ヘルスリテラシー(以下HL)」とは、自分に合った適切な健康情報を「入手」し、「理解」し、信頼性を「評価」し、効果的に「活用」する、4つの力のことを指します。HLが低いことは、薬の誤用のみならず、効果のない健康食品の購入、救急外来へのコンビニ受診、健診未受診、といった様々な悪影響を及ぼします。これらの解決のため、患者さんや地域住民のHLを高める必要がありますが、今の医学教育ではあまり学ぶ機会のないのが実情です。 このセッションの目標は、対象者のHL向上のための様々なアプローチ方法を学び、実践できるようになって頂くことです。効果的にHLを高めてもらう方法を、一緒に考えていきましょう!

【4F】新 やってみよう!在宅医療! 在宅でのお看取り

講師:中西康介、高岡大介、近藤敬太、豊岡達志、梅沢義貴、西澤俊紀、後藤美佳、河合峻雅、寺澤佳洋、窪田泰輔、久賀孝郎、篠田和宏、中込雅人、高仲舞、淺野智也、岩田仁志、大城昌史、藤村周平、近藤千尋

所属:藤田医科大学 総合診療プログラム

対象者:低学年医学生(1~2年), 中学年医学生(3~4年), 高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:在宅医療

概要:超高齢化・核家族化・高齢独居化が進んでいる日本において、通院困難な患者様のお宅に医師が定期的に診療に伺う在宅医療は病棟、外来といった従来の医療に加え第三の医療として重要性は認知されつつあります。一昨年、昨年と私達は在宅医療のワークショップを提供させて頂きましたが今回は更に在宅でのお看取りに焦点を当てたワークショップを行いたいと思います。本セッションではまず在宅医療を取り巻く現状についてレクチャーし、ビデオ視聴の時間を設け、実際の診療風景の現場をご覧いただきます。次にブレイクアウトセッションを用いてグループワークを行って実際の現場を体験していただきます。在宅でのお看取りという人生の最終段階にある患者さん・そのご家族との意思決定を、様々な職種の観点から一緒に考えていくことを目的としています。このワークショップに参加すればあなたもきっと在宅医療の虜になってしまうでしょう!あなたの今年の夏セミのセッションは在宅医療で決まり!!

【4G】高齢者を診る身体診察のエッセンス

講師:川島篤志、和田恭宏、安原大生、長谷部仁美、松山苑子、小田雅之、和田 幹生、青木大

所属:市立福知山市民病院 総合内科、市立福知山市民病院 大江分院

対象者:高学年医学生(5~6年), 研修医, 医療系学生/看護師/薬剤師

キーワード:高齢者医療

概要:身体所見の重要性は理解していても、何を診たらいいのかわからない、教えてくれる人がいない、と嘆いている方はいませんか?おそらく医師だけでなく、検査を選択する権限のない他の医療職の方も思っているかもしれません。以前より、どんな時にどんな身体所見を取ることによって、診断や重症度判定の検査前確率をあげれるのか、ということを意識した「身体所見の小テスト」というWSを開催してきています。が、今回は複数疾患に罹患している高齢者を診るにあたって、「これだけは診れるように!」とポイントを絞ったWSを行います。簡単で現場に直結する所見を、みんなで楽しく理解してもらいます。医学生・看護学生や初期研修医や多職種向けを意識していますが、指導医層にとっても、身体所見の伝道師となっていただく機会になると思いますので、お気軽に参加下さい。このセッション、2019年春のWONCAでも教育セッションで開催しました!

 

 

 

 

第32回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー セッション局長 小山諒人